音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ボクが医者になるなんて / 川渕圭一 (2012)

書店で猛烈にプッシュされていたので騙されたと思って買ってみた。騙された。

小説でもなく自叙伝でもなく、非常に中途半端な立ち位置で書かれている自叙伝のようなもの。あ、自叙伝なのか。

イベントの一つ一つが簡単に流れてしまって、あれよあれよという間に最後までたどり着いてしまう。こう書くと好印象に見えるかもしれないけれども、つるりと滑りすぎて手元に何も残らなかったという感覚。「あぁ、劇的な人生ですね」というか。物語に伏線を張るようなストーリー(そもそもこの作品にストーリーはあるのか?)ではなく、淡々と語られる人生をただなぞってみました、とでもいいますか。

図書館で借りてきた本で失敗をしても少々の時間を無駄にしただけだと思えるけれども、買ってきた本で失敗をすると、それがたとえ文庫本であっても金額と時間以上の無駄をしたような気にさせられる。それは自分がせこいためなのか。