「そのうちヘッドホンでじっくり聴いてやろう」と思い、ようやくその時が来た、といった感。
やはり基本ラインは静謐。もちろんロック的盛り上がりも存在するのだけれども、一歩下がって俯瞰すれば、そこにあるのは寂寥とした世界。枯れ草の草原を風がなぜて行くような、そんな実りのない世界とも言えようか。一人、訥々とあてもないままに歩いて行く青年の背中は何を語るか?
うん。ある種の孤高感すら漂ってくるな、これは。道理でいくらボリュームを上げてスピーカーで聴いてみても、うまく像を結ばなかったはずだ。これは籠もって聴く世界でありますよ。確かに名盤。ただ、世界は決して広くはない。