初夏、その始まる直前の冷たい夜明け
いずれ朽ちゆくこの身体と心
見つめるでもなくぼんやりと眺め遣り
私の行く先に荷を宛てる
日は昇る、日は沈む
永遠の輪廻の中に
私は帰るところを知らず
彷徨うことも出来ず
時の移ろう中でただ漂い続けるのみ
真夏の金魚、救いようもない器の中で身を張り泳ぐ
嗚呼、見つめられるだけでもそは生きて行けるというのに
私は全てを拒む
遠くの泣き声に馳せる想い
高く青に過ぎる空
色濃くするを待つ緑
荷を受け取るまでの永い時
やがて温みゆく空気の中で
命は炎を赤く転じさせる
夏
--blind summer fish--