音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ミシェル・コルボ マタイ受難曲 サントリーホール

昇天の一部と圧巻の二部。音の洪水に酔いしれているうちに眠ってしまう、本格クラシック初戦。そのうちに天井の奥、パイプオルガンの影にまで回り込んでいった音がそこに住み着いてしまうのではないかという錯覚にも襲われる。

それはカーテンコールの拍手の波に、洗い出されてしまうわけだが。

あれだけの演奏をコントロールしていた指揮者も、タクトを降ろすと一人の小さな老人だった。だからこそ人であって、人がそれだけの音楽を紡ぐ指を動かしていくことも、また素晴しいと評される演奏のコントロールにもなるわけであって。