音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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照柿 / 郄村薫 (2006 文庫)

郄村作品に登場する男性はとにかく男であるかとにかく蛆虫であるかの両極端であって。もちろんそのどちらにも惚れてしまう要素が満載なのだけれども、エッジも克明に、きつく描かれる心理描写にノックアウトを食らうのは、圧倒的に蛆虫の内面を記述した作品においてなのだ。

蛆虫になる卵さえ植えつける場所を探せずに夏に溶けてしまいそうになる自分を振り返りながら、時折、惚けたように窓の外のプラタナスを見上げつつ読了。

これにて夏休み最後のリハビリワーク終了。