これはアリだ。
「演歌」というくくりにされてはいるけれども、北島三郎的「ド・演歌」ではなく、五木ひろし的「演歌歌謡曲」。便宜上「演歌」と表現しますが。
初めて聴いた時にはややAメロからBメロにかけてが冗長なようにも思えたけれども、今日日の演歌にしては珍しくコーラスごとにアレンジを変えてきている*1こともあって、これが意外と聴けてしまう。ストリングスは蕩々と、ベースはゴリゴリと鳴り、ギターが雄叫びを上げる。これら典型的な70年代〜80年代の演歌黄金期アレンジに加わるのが、今風のリズムショット。無理をして時代に乗ろうとしている演歌を尻目にとにかく王道。そして何よりもその王道パターンで一気にたたみかけるサビも演歌のトレードマークをしっかりと踏襲している。
しかも転調&大サビ的アレンジ展開がラストに用意されているため、ラジオではフルコーラスのオンエアを求められるだろうというという展開も今日日の演歌にしては恐ろしく戦略的に考え抜かれているものだ、と。
曲作りにおいて正々堂々と勝負をかけていることが何よりもうれしい。「外国人」による拙い日本語を売りにするという変化球勝負ではなく、正当な演歌的タメと発声で作り込んでいる点で、現状だけにとどまらずもっともっともっともっと売れて欲しい、それほどまでに売れる甲斐のある演歌だと実感した次第。
*1:それだけ今日日の演歌のアレンジは何かが軽んじられているということでもあるわけだけど