音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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天地明察 / 冲方丁 (2009)

2010年本屋大賞受賞作。

久しぶりにガツンと来る小説を読んだ。江戸時代の新暦を作るまでの流れを描いた大河作品。歴史小説にありがちな取っつきにくさもなく、登場人物も非常に人間くさい。次々と流れゆく、そして最後に物語を盛り上げる脇役がとても魅力的で、読んでいて退屈さを感じる瞬間が全く無かった。数学の問題を作る、天体観測をする、そして暦を作るという地味な作業がここまでエンタテインメントの素材になるとは。着眼点を最後までしっかりと練り上げた名作。これはためらいなく人に勧められるな。