音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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COZY / 山下達郎 (1998)

ベスト盤でその歴史と変遷に衝撃を受けてから、図書館で旧譜を発見する度にさかのぼって聴いている次第。それにしてもこのアルバムは、おおよそ僕が過去の山下達郎に期待する要素の全てが詰め込まれているように感じられた。非常に厚手のステーキで食べ応え十分なのだけれども、ソースはおろしポン酢のような世界とでも言えばいいのだろうか。日本文化が海外を咀嚼した結果がバタ臭さであるならば、その上澄みを掬い取ったのが山下達郎であるかのような。歌詞のある音楽でもあるにもかかわらず、聴き手の想像力も試されているというある種の試験紙的な音楽でもあると言える。一体何なんだ、この人は。