音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

Nothin' but the Bass / 櫻井哲夫 (2015 Hi-Res 96/24)

朝一と通勤の復路と帰宅後に。

Polarisのライブ音源ダウンロードを期待していたというわけでもないが、いつもよりも20分近く早く目を覚ましてOTOTOYを見てみても、そこには何も起きていなかった。音源に瑕疵があって発売が延期になると知ったのは帰宅してからだけれども、とりあえず朝の時点では妙にがっかりして、そして何気なくe-onkyoを見れば櫻井哲夫のアルバムが発売されていたことを発見してしまった次第。亀田誠治がプロデュースをすると言うことで、けっこう取っつきやすい作品になるだろうと思い、時間も持て余してしまったので試聴してみたら、なにやら名盤の予感。「ええい、ままよ」とダウンロードして聴いてみると…。

エロい。

五感と粘膜に直接訴えかけるこのベースの音は半端ではない。いや、そのような次元はとうに飛び越してしまっている。ベースという楽器が持つ可能性を全て引き出し、持ちうるテクニックの全てを使い、それでいて決してマニアックには陥らないポピュラリティの確保。これは凄いことですよ。イヤホンで聴きながら「こ、これはエロい」と思いながら公共交通機関にてニヤニヤが止まらなかったのだもの。うん、エロいです。こんなにエロいベースは聴いたことがない。生々しすぎて、放送禁止レベルではないかと。先ほど、粘膜という言葉を持ち出したのにはそう言う理由もあるからなのです。これを聴いて「自分には音楽を感じる粘膜が無い」と感じた人は、本当にそういう粘膜は持っていないのでしょう。僕は幸いなことに持っていたようです。細胞に語りかける音楽、という表現があるけれども、櫻井哲夫の今作は粘膜に訴えかける音楽ですよ、粘膜。エロスとポピュラリティの同居が可能だなんて、誰が想像出来ただろうか。そしてベースという楽器がこんなにも生々しいものだったとは。イヤホンで聴けば耳の中でねっとりとしたセックスをしているような、スピーカーから聴けば露出プレイのセックスをしているような背徳感まで思い浮かんでしまう。時に激しく叩きつけるかのような動きと、そして時には全身を舐めまわし包み込むようなプレイを見せてくれる。いや、そういう様子が耳から浮かんで止まないのですよ。早い話が音楽を耳の中でセックスに置換して聴いているんですよ。

そんな異常な世界に入り込んでいる自分を棚に上げつつも、やはりこの音源はエロい。櫻井哲夫、恐るべし。ここまでエロティックに歌うベーシストだったとは!