しかし恐ろしいまでに緩急自在な曲の配置というか。中盤の、ややすると中だるみにも覚えるところではバンドの真面目な側面が顔を出しつつ、水鉄砲的な遊び道具もチラホラと。
気合いを入れて聴きながらでも、食器を洗いながら歌いながらでも、水鉄砲やらヨーヨーやら南京玉すだれやらが次々と目の前に飛び出してくる気持ちよさは、そうそう味わえるものではなく。今になって、色んな表現の可能性を教えてくれる内容。
にしても、このアルバムを買った当時の自分が、いかに甘っちょろい耳を持った若造だったかがよく分かる。「なんだよ!3,000円も出して、これっぽっちかよ!」みたいなバカさ。あー、本当にバカだった。海パンで国際線に乗っちゃうくらいにバカ。
てな感じで、思い出した頃に聴き直すとそのたびに聴き惚れ&歌い上げてしまう俺的超名盤。90年代のヒットチャートをリアルタイムで追いかけ続けていてよかったと、本当に心の底からそう思うよ。