サヴァイヴ / 近藤史恵 (2011)

自転車競技を舞台にした短編集。この人の書く登場人物はことごとく淡々としている。レースに熱中するのではなく、自分の置かれている立場を中心に描いているからそのように感じるのだろう。既に『Story Seller』シリーズに掲載されたものも再掲されているけれども、繋げて読んでみるとより一層登場人物に興味が持てた。日本ではマイナーな自転車競技をもっともっと盛り上げるべく、この人にはさらなる深い作品を書いて欲しい。