音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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NW-F886

お師匠様からハイレゾウォークマンNW-F886を借りていじり倒す週末。

まずはハイレゾ音源から。PAT METHENY UNITY BAND『KIN(<-->)』(2014)。

とにかく音がマイルド。ローファイとはまた異なる、リッチな録音。楽器一つ一つの空間がしっかりと保たれて、たとえ全ての楽器がffで鳴り響いても、楽器同士が干渉しないという素晴らしさ。音楽として楽しめるのはもちろんのこと、オーディオ的な楽しみ方ができるのがハイレゾウォークマンの何たるかというところか。

MP3音源も十分に聴かせる。192kbpsでエンコードした音源が中心なのだけれども、マイルドに録音された音源はふくよかに、カリッと打ち込まれたサウンドは鮮明にと、非常に素直に再生する。

SONY製ということもあって、相当に味付けされた音になっているのだろうと思っていたのだけれど、それは嬉しい意味で裏切られた。本当に素直。とにかく上下左右に散りばめられた音場が非常に広く、こればかりはiPodでは再生しきれない表現力であるなと実感。音という音の全てを描き出してやろうという気概すら感じる。

これは是非とも欲しい機種だな。ZX1とまで行かなくとも、十分にFシリーズでも今のウォークマンの本気を感じさせられる。

そうそう。その他、再生に関する機能について。Webではべた褒めされている「ClearAudio+」機能は、まったくもって蛇足。音場を無理に拡げて、楽器を下手くそにエンハンスさせてしまう。この機能はOFFにして聴きたい。

MP3等の音源で高域を補完するという「DSEE HX」は、その効果に疑問符。切り替えても音が変わったようには感じられなかった。低ビットレートでエンコードされた音源になら効果があるのかもしれない。プラセボとしてONにしておいても悪くはないだろうけれども、電池の持ちが悪くなるというので、これもOFFでもいいかな。

何気なく借りてみた機種ではあるけれども、実のところ相当に物欲をくすぐられる。ZX1が128GBだけれども、Fシリーズでも128GBモデルを出してくれはしないだろうか。もし出たら即決で買い。iPodからあっさりウォークマンに乗り換えますよ。

以上、簡単ながらハイレゾウォークマンFシリーズのインプレッションでありました。

SONY ウォークマン Fシリーズ 32GB ブラック NW-F886/B

SONY ウォークマン Fシリーズ 32GB ブラック NW-F886/B

追記:
「DSEE HX」機能はジャンルによってはそれなりの効果があるかもしれない。T-SQUARE『WAVE』でON/OFFを試してみたところ、楽器のエッジの鳴り方に若干の効果があった。ONにするとちょっとエッジが効いた雰囲気になって、よりカリッとした音になる。ただし、耳に優しいかどうかと問われるとやや疑問が残らないでもないけれども。