音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲 / ツィメルマン, カラヤン, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (1982/2016 SHM-CD)

今晩の夜更かしのお供は、ツィメルマンによるシューマン&グリーグのピアノ協奏曲。指揮はカラヤン、オケはもちろんベルリン・フィル。1981年&1982年録音。

シューマン&グリーグのピアノ協奏曲カップリングは、自分の中ではルプーのピアノによる、プレヴィン指揮、ロンドン響の1973年録音のそれが、ナンバーワンの地位を確立していました。CDも数年の間に3回ほど買い換え、最終的にSACDまでに行き着いたほど。本当に好きな演奏だったのです。

ところが、ツィメルマンの演奏が自分の目の前に現われた瞬間、このカップリング音源は甲乙つけがたいツートップになってしまいました。いや、もしかすると今はツィメルマンの方がリードしているかもしれません。

たっぷりと情感豊かに、流れるかのように歌うルプー。

煌びやかな音が、耳をときめかせるツィメルマン。

どちらも唯一無二の個性を持って自分に迫り来るのです。

ツィメルマンの演奏に何か軍配が上がる要素があるとするならば、それはカラヤンの存在かもしれません。

自分にとって、カラヤンはそれほど思い入れのない指揮者です。ところが音源を聴けば、確かにこの人にしかなし得ない統率力と推進力の強さに脱帽することは確かです。

協奏曲においてはソリストの演奏に耳が行きがちな、まだまだクラシック音楽を俯瞰して聴けるレベルまでには達していない自分のこと。

それでもソリストの演奏を含め、演奏の可能性を引き出す力を持ったカラヤンの仕事ぶりには、超一流であったその力を認めないわけにはいきません。

若かりし頃のツィメルマンがカラヤンと出逢い、そしてここまで自分をとりこにする演奏を記録してくれたこと、それを取り巻くありとあらゆる巡り逢いに感謝することしきり。

クラシック音楽界において、現代は巨匠不在の時代とも言われているようですが、その巨匠たる人物によって才能と力を伸ばし、地位や演奏力を固めた指揮者や演奏家は数多く存在するわけで。

そして何よりも、記録物があります。そこに刻み込まれた音と行間が、時代を超えて私に訴えかけてきます。まだまだ数多くの未聴の音源が存在します。

音楽の鉱脈は大量に存在する!

想像しただけでもワクワクしてきます。

話をツィメルマンの演奏に戻します。ピアノの歌心とクリスタルな音の質。それが21世紀の今になっても失われることがなく、むしろ円熟味を帯びることで音の透明度はより一層増しているように感じられるほど。

愛してます。本当に心から愛せるピアニストに出逢えました。

【某所より転載】

HOME / Polaris (2002 CD-DA)

幸せすぎて胸が痛くなる瞬間はありませんか。

その時々を集めてパッケージすると、このようなアルバムが出来上がります。

ただただ柔らかく、暖かいサウンドが綴られている、そう、何かポップスの魔術を封じ込めたかのような作品です。

僕はその多幸感にやられて時折涙することがあります。

それほどまでに純粋なポップミュージックの世界なのです。

Home

【某所より転載】

Crème de la Crème / T-SQUARE (2020 SACD)

坂東さんがドラマーとしてT-SQUAREに加わった時から、この人の叩くエイトビートの引っ張り方がどうしても気になって気になって仕方がなかったのだよね。

則竹さんが叩いていたエイトビートの楽曲を坂東さんが叩くと、その自分の中だけにある違和感が顕著になって、やはり気になるのですよ。

則竹さんのエイトビートはビートに対してジャストで入ってくるのだけれども、坂東さんのドラムはやや後ろで入ってくるように感じられるのだよね。オカズにおいてはさらに気になって気になって、もう…。

最初から坂東さんが叩いている楽曲ではそのようなことはほぼ気にならないというのに。

このようにして、どうしようもない「うるさ型のフュージョンファン」なるものが出来上がってしまうのだろうな。「昔の人至上主義」的な。

あー、やだやだ、自分。

creme de la creme (DVD付) (特典なし)

thanks / 高野寛 (1992 FLAC)

相当久しぶりにひもといた作品。なぜかそれほど聴こうと言う気分にならなかったのだよね。

それはこの後の作品群の出来が突出して素晴らしいからであって、本作はそこに至る過渡期にあるように感じられていたからなのかもしれない。

改めて聴いてみると、高野寛流ポップスが本格的に開花する寸前のエネルギーのようなものが噴き出しかけている作品であると理解出来る。マグマが限界まで蓄えられている状態とも言えるか。

th@nks

SINGER7 / 島津亜矢 (2021 FLAC)

とにかくロック、ポップスの咀嚼力が、これまでの演歌歌手によるこの手のカバーによる基準で測ることが出来ない。

おそらくそれはリズム感によるところが大きいのだと思われる。譜割りに対して忠実であると当時に、そこに自らのカラーを変幻自在に上乗せする。そのことで島津亜矢による唯一無二のカバーが出来上がるのだろうと。そこがとにかく面白いのだ。

と言うことで、近日中に生声を聴きにうかがいます。チケットならおさえました。とにかく今、生でこそ観たいシンガーの一人でありますよ。是非ともそこでも度肝を抜かせて下さい。

SINGER7