音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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持つべきものは友人だ

ただの黄色い箱ではもちろんなく。

REBECCA COMPLETE BOX

REBECCA、20周年記念にリリースされたボックスセット。復刻盤。

あのボックスセットでないと手に入らないリマスタ音源があるのですよ。シングル曲などね。 どうにかならないものか、と悩むことさらに数十分。思い出したのです。中学以来の友人があのボックスセットを持っていたはず!と。 思い出したが吉日。早速その友人にLINEを飛ばしました。

TIME / REBECCA (1986 44.1/16) - 音波の薄皮

これです。このアーティクルに始まる一連のプロジェクトが、ようやく日の目を見ました。友人に持ってきて頂きました。今さっき。

『REMIX REBECCA』や『OLIVE』など、ハイレゾではリリースされていない音源がここに収録されているのです。リマスタ音源で欲しかった。やっと手に入る。いや、一度は持っていたはずの音源を手放してしまった俺の馬鹿!

この後、生活の些事を片付けたのち、ディスクのリッピングに入ります。

幸せ。友人くん、本当にありがとう!

龍凰童子 / 陰陽座 (2023 48/24)

陰陽座の新譜が出るとは全くもってノーマークだった。前作、2018年リリースのアルバム『覇道明王』をリアルタイム聴いて「これは格好いい!」と叫んだものの、その後再生回数を稼いでいなかったのだよね。最大瞬間風速だけでその後が続かなかった。

そう思いながら今作をSpotifyで試聴がてら聴いてみると、いやはや、滅茶苦茶自分好みじゃないですか。どうしてこのバンドの音源を今の今まで放っておいた。速攻で24bitハイレゾ版を購入。今に至る。

「妖怪ヘヴィメタル」と言うのがこのバンドのコンセプトらしいのだけれども、そう言った二次元的コンセプトは抜きにして、そこにある音楽のみで勝負されても十二分に自分に響く。

音楽としては非常に明快なHR/HM。そこに抜けのすさまじくよい女性ボーカルとアクセントとなる男性ボーカルとのカラフルなツインボーカル、そしてツインギターとの音の厚さとスケールの大きさで迫ってくるのだから、これを自分が好まないはずがない。

最初の最初だけ「これでもっと低音の圧があれば」とねだったものの、聴き進めていくうちに、それを行ってしまうと前述のこのバンドを格好いいと思わせる要素がマスクされてしまうことにも気がついた。

とにかく音の抜けがバンドとしての疾走感とヘヴィネス、輝かしい黒さと言ってもいい、とを両立させるための音作りになっているのだと。演奏もサウンドも余計なことは一切していない、それでいてゴシックかつブライトに音が現れている。それだけでも十分。

歌詞、すなわちバンドとしての世界観は自分にとっては二の次でよいのです。出音がどれだけ自分にとって響くか否か。圧倒的に前者。一聴して音がストンと耳と腹に落ちる感覚が素晴らしい。

71分超えの大ボリュームなアルバムの中身だというのに、その重さを全く感じさせない勢いも素敵すぎる。あっという間に最後まで駆け抜け、しかもその聴了感が腹八分目。もう一回聴こう、と言う気にさせられるところも素晴らしい。バンドしての構成力がないと、長尺は重いだけのものになってしまいがちだから。

総じて好印象の極み。勢いに任せて16枚組ボックセット『廿魂大全』を全部借りました。例によって果たして全部聴ききれるのかどうかは別として、これは順次紐解いていかないともったいないような気がしてならないのです。しっかりと聴いておきたいと思った次第。

とりあえずは頭の悪い文章でファーストインプレッションのお茶を濁したいところ。これはもっとじっくりと聴かないと全貌が見えてこない。相当に深いですな。

龍凰童子

メトロパルス / capsule (2022 44.1/16)

PerfumeはPerfumeでずいぶんと新機軸に舵を切ったなと思わせたのだけれども、こちらもこちらで思い切って丸い方向に行ったなと。

これまではビビッドだった色合いがパステルに取って代わって、ビビッドは差し色になっている、とでも言えばいいのかな。そう言った感覚。

メトロパルス (初回限定盤) (特典なし)

BLACK LIST / BARBEE BOYS (1988/2006 44.1/16)

2006年発売リマスタ盤。ようやく手元に音源が巡り巡ってきた。リリース当時に購入を見送っていたら、あっという間に高値が付いてそのまま安定してしまった完全生産限定盤。

本当に手元に欲しかったのですよ。2006年の自分は一体何をやっていたのかと小一時間自分を問い詰めたいの心。聴くことが出来たので結果オーライですがね。渇望すればするほど、手に入れた時の美味しさもひとしおで。

CDのブックレットを読むと、このリマスタはまさかのテッド・ジェンセンだったのね。2006年当時の分かりやすい音作りで、とにかくキラキラ感が倍増。それに伴いイマサのギターがより輝いて、かつ立体的に聞こえる作りに。

BARBEE BOYSはイマサのバンドであったと再認識させられております。

BLACK LIST(紙ジャケット仕様)

hullo hulloa / 高野寛 (1988 44.1/16)

1988年作品。デビューアルバム。

この時代、このような雰囲気を持ったミュージシャンは数多存在していたような気がします。

才はありそうなのだけれども、そこから頭一つ抜き出て、かつ、生き延びるための華を持ち合わせていなかった微妙な立ち位置のミュージシャンが。好きな人には響くのだけれども、そこからマスへは飛び出せない存在。

恐らく高野寛もそのようなポジションにあったのでしょう。高橋幸宏のプロデュースを受け、楽曲の自作が出来て。

この時点で愛される要素はあったのでしょうが、今聴いてみてもはやりそのポジションに並べられ、やがて消える運命にある存在のように見えるのです。いい曲はちらほらとある。でもブレイクスルーにはならない。とにかく線が細い。一回聴いてもそれ以上の印象を残せない。

これがこの当時の高野寛の限界。まだ原石でしかなかった。

hullo hulloa(限定盤)