1988年作品。デビューアルバム。
この時代、このような雰囲気を持ったミュージシャンは数多存在していたような気がします。
才はありそうなのだけれども、そこから頭一つ抜き出て、かつ、生き延びるための華を持ち合わせていなかった微妙な立ち位置のミュージシャンが。好きな人には響くのだけれども、そこからマスへは飛び出せない存在。
恐らく高野寛もそのようなポジションにあったのでしょう。高橋幸宏のプロデュースを受け、楽曲の自作が出来て。
この時点で愛される要素はあったのでしょうが、今聴いてみてもはやりそのポジションに並べられ、やがて消える運命にある存在のように見えるのです。いい曲はちらほらとある。でもブレイクスルーにはならない。とにかく線が細い。一回聴いてもそれ以上の印象を残せない。
これがこの当時の高野寛の限界。まだ原石でしかなかった。