それほどパワーポップというわけでもなく、文学ロックというにもわかりやすく、メロディの強さもあるわけでもなく、それでも安定した人気を保ちながらここまできたバンドのベスト盤。1回通して聴いた限りではやはり「リライト」の印象が強く残ってしまう結果に。新鮮味を求めた身としてはこれはちょっと残念。「君という花」も以前から知っている曲だし。うーん、やはりメロディの弱さが気になるかなぁ。10年分の歴史が詰まってはいるけれども、それほど大きな変化を見せたわけでもない。うん、これは及第点なロックだ。いや、よい意味でね。
トライアル / the pillows (2012)
歌詞に覆われている暗めのトーン。いつもの抜けるようなthe pillowsはここにはない。各種インタビューでも答えているようにこれは苦悩をテーマにしたアルバムなのかもしれないな。とはいえ演奏もメロディも安心のthe pillows印なので問題なく聴ける。
SYNCHRONIZED ROCKERS / V.A. (2004)
the pillowsトリビュート。これもiTunesで全然再生されていなかった。鉄板なアーティストがカバーしているあたりにthe pillowsの立ち位置が分かるというものだけれども、カバーされているどの曲も「やっぱり原曲は名曲だなぁ」という感想に持っていくあたり、the pillowsのアンサンブルの強さを実感させられる。にしてもBUMP OF CHICKENやMr.Childrenといった人気以上の個性を持ったアーティストをもってしても原曲の力にはかなわないというところにもオリジナルの圧倒的な強さを感じさせる。