自分の小説趣味がメフィスト系から離れ始めた頃の作品。図書館でたまたま見かけたので、暇つぶしがてら回収。
何にせよメフィストなので、頭をメフィストモードに切り替えてから楽しむ必要がある。なにせ超トンデモ世界がOKとされる特殊分野なので。それでもこれはずいぶんと真っ当なトンデモだと思いながら寝起きにもぞもぞと読了。
表現への違和感を覚えたところにトリックありという定石を踏まえた所など、しっかりとした推理エンタメ小説にはなっているけれども、「すげぇえええええ」という要素がいささか軽めに感じられた点に高望みを課すというか。伏線がシンプルであればあるほど、その「え」の数は増えていくわけですな。それでも、これ系でのお約束であるところの「何が起きたの大混乱！」という楽しさも味わえたのでよしとします。
私の好みとする味付けではなかっただけの話。普通に面白かった、ということで。そもそも「真っ当なメフィスト」という表現が頭の中に浮かんできただけでも、十分に特異な小説ではないかと。
