帰宅後に。
このアーティストの曲に初めて触れたときに感じたのは初期バンプの「儚い展開」なのだけれども、バンプほどメロディに執着していないせいか、歌詞のイノセンスというものが相対的に浮上してくる。都市=現代に対する絶望を中心に、モラトリアム期の青年が抱える危うい現実に対する直視が楽曲を構成しているのだろう。「あと10年若かったら」と片付けてしまうのは簡単だけれども、10年前の不安定さを再び手にとって今の自分に重ねてみるという聴き方も出来る。子どもの存在を意識しない童話。それは寓話だけれども、僕はその寓話を食べ尽くしながら今まで生きたとも言えるか。