発売された当時は相当に話題に上っていたアルバム。お師匠様が持っていたので、今回借りてようやく聴いた次第。
楽器編成を絞りに絞って、いかにアコースティックな環境でSACDのうまみを引き出すかという実験も兼ねた作品。概ね成功しているのではないかと。やや単調なアレンジに落ち着いてしまっているきらいもあるけれども、SACDのポテンシャルを楽しむという点ではよく出来ているのでは。ボーカル曲もいい定位をしている。これで生々しさが加わったら、もう少し自分の中での評価が高まったと思うけれども、いや、これでも十分でしょ。
発売から7年。SACDの立場はハイレゾの躍進に伴って逆風ではあるけれども、この時期にこれだけのことが出来たということを考えると、発売当時にやたらと話題になったことにも納得がいく次第。しかしやはり機器の普及が追いつかなかったか。