超大作、ブルックナーの8番を。一楽章ごとにじっくりと腰を据えて聴く。
確かに明確なメロディはない。果てなく広い湖の淵に立ち、風がいたずらする波を眺めているかのような感覚。
それは場面転換と楽器の構成で作り上げられる幻想のようなものであり、それでいて楽曲の本質でもあるかのように思えてくるから不思議なもので。
心と時間に余裕を持てているからこそ堪能できるブルックナー。綴られる詩はページをめくれどもめくれども終わりを感じさせない。
部屋の照明を消して、新たに導入したLED卓上ライトだけで手元を照らして再生。いきなり音がクラブになる。
ま、目からの情報が減ればね。音に行くよね。意識は。
なんとなく癒しをを求めたかったのかもしれない。別に何かに傷ついているわけでもないけれども。