9枚組ボックスセット『Bach・Koopman』より。
そう言えば「トッカータとフーガ」なんてベタなもの、なかなか聴くこともないな、などと思い聴き始めた。
現代のチェンバロの名手でもあり、またオルガニストでもあるコープマンの、流麗かつ重厚なオルガンワークが楽しめる。
自分の中ではバッハは編み物と曼荼羅にたとえられているのだけれども、この作品は正にその典型と言っていいのでは。
音が縦横にしっかりと組み上げられ、なおかつ螺旋を描くかのように天上へと向かっていく音階が、自分にそう思わせるのだよね。
バッハはもしかすると、最もプリミティブな宗教の集約点なのかもしれない、などと思ってみたり。