NW-WM1AM2のゲイン設定をイヤホン使用時にもハイゲインにすると大化けすると言った旨のツイートを読み、「そんなわけあるんかいな」と思って設定してみると。
あら。素敵。ガッツのある音になりましたとさ。
イヤホンがやや上品になる傾向があったので、それがいい具合にかき消されて、パワフルながら音として暴れる要素がない形に収まりました。
従ってこう言った音源も実に愉快痛快に楽しめたのであります。気がついたらアルバム全編を聴き通してしまっていた。
この夏、日々の消耗が回復しないままに次の消耗に飛び込むものだから、とにかくすり減りすぎて困りますよ。
と言うことで、ポリーニも漫然と聴き流す。
少しでも音楽の力で体力気力を回復させたいのだけれども、いかんせん、窓の外に見える夏の暑さが自分の中にある何かを削いでいくような錯覚に陥るわけで。
Steven Wilson率いるPorcupine Treeの最新作。
何となくぼんやりしていたのか購入する機会を失していたのだけれども、HDtracksからの全品25%OFFメールが来たのですかさずハイレゾ音源を購入した次第。
果たしてその内容と言えば…うっとりするね、もう。
英国が誇るプログロックの遺伝子を引き継いで今の音作りに載せるスティーヴンの手腕が、これでもかと言わんばかりに発揮されている。
とにかく暗い。それでいてシンセやコーラスの織り成すレイヤーが怜悧な美しさを描き出している。
世の中に満ちあふれている数々の絶望と失望の中に、一筋差し込む天使の梯子までもを重ねることで、現代世界を音で表現させるその力量もスティーヴンならでは。
美なる音が重なり合い、幽玄的とも聴いて取れるロックの世界。これが今と言う一地点の現われだ。