頑張れという言葉に対する違和感。反発。
常に持ち続けてきたもの。
誰もが誰にでも気軽に口に出せる言葉。
そして誰かにとっては重圧になる言葉。死の宣告にも等しい負の力を持った言葉。
ゴミ屑の山を乗り越えても乗り越えても、黒外套をまとった神様という輩が試練というゴミ屑を自分の目の前に積み上げていく。踏んづけても踏んづけても、潰して消したと思った瞬間にはまた目の前に山はうずたかく。
弱れば弱るほどに、人はそこに頑張れのゴミ屑を投げつけ、時に致命傷を負わせる。投げつけられた本人でしか知ることのできない死因。誰かによる過失致死傷。
何年、いや、十数年は持ち続けただろうこの違和感を「適度に頑張ろうか」「死なない程度に頑張ろうか」と言い換えて、そしてゴミを踏みつけるでもなくひたすら山を除けながらの回り道、骨折りの旅を続けてしまった。
降ってくるゴミ屑にばかり気を取られ、何度も何度も降り注がれていたはずのその言葉に気づけずにいた。「頑張れ」の一言よりもはるかに頑張れるその一言に。
負けるな。
自分へと言葉がダイレクトに入ってくる人からしか受け取れないその一言。
一言に重みがある人からしか受け入れることのできないその一言。
負けるな。
そうだ。こんな安直なところで、こんないい加減なところで殺されてたまるか。こんなことで負けてたまるか。こんな所で負けてたまるか。
ゴミ屑の山を踏んづけきれないなら、かき分けてでも最短距離で前へ進め。そのための基礎体力作りを惜しむな。揉まれ潰され窒息しそうになってもかき分けるその腕の動きを止めるな。かきわけてもかきわけてもそこはゴミの山。いつまで続くかも知れないゴミの山。。それでもかき分けている限りは汗をかき続ける。正面にばかり気を取られ、上空には空が開けていることに気がつくまで、まだまだ時間がかかるかもしれない。それでも、まだ上に行くには早きに過ぎる。
負けるな。
その一言をエネルギーに変え、真っ直ぐに前へと掘り進め。