音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ブルックナー:交響曲第6番 / ネルソンス, ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 (2019 192/24)

クラシック音楽。夜中に聴きたくなるのはブルックナーかシベリウスであることが多いような気がしている。

両者の持つその抽象性が、独り身の夜が持つ茫漠とした感覚に上手く入り込む、もしくは欠けたピースの中にはまるのかもしれない。

また、貴重なる静かな夜をより長く満喫したいと言う思いからも、これらを選択することに繋がっているとも言える。

もしくは、自分という小舟が、ブルックナーの大海でゆったりと、時に激しく揺さぶられる感覚が楽しくもあることもまた事実。

と言うことで、今宵はブルックナーの交響曲第6番をこの組み合わせで。

何度もここには登場しているような気がしているけれども、最新型のブルックナー演奏として、自分の好みにぴったりとアダプトしたのであります。

長丁場な演奏なので、2回に分けてヘッドホンにて堪能。

3時半を回りました。真夜中から夜明けに向けて、次は何を選びましょうかね。

white (Remastered 2018) / 井上陽水 (1978/2018 192/24)

感覚の全方位に対して研ぎ巡らされた歌詞の世界観が、図抜けて素晴らしい作品。

特にアルバムのリードシングルである頭2曲、大麻所持による服役中に書いたとされるこれらの曲の出来が凄まじく、皮膚の下に入り込み、そこをヒリヒリとえぐるような感性は、井上陽水作品のこの後にも先にも現われないと思わせるほど。

ネガティヴな環境に追い込まれた人間が発揮する、そのバネの強さをまざまざと見せつけられるかのごとく。

自分の中では、井上陽水作品で1、2位を争うほどの楽曲集であります。

white

あなたになりたかった / 平井堅 (2021 Amazon Music HD)

「平井堅にしか出来ないJ-POP」と言う領域に完全に突入しておりますな。ある意味において完璧な世界。

第一印象としては、とにかく歌詞が耳にやたらと飛び込んでくる作品であると。サウンドメイキングよりも歌詞。歌い手としての平井堅、その本領を発揮しております。意外とその点において鬼気迫るレベルにまで感じさせますよ。

あなたになりたかった (通常盤) (特典なし)

ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲 / リヒテル, カルロス・クライバー, バイエルン国立管弦楽団 (1974/2012 SACD)

CDラックを眺めていたのですよ。「そう言えばこんな物を持っていたな」と背表紙を見て思ったのですよ。引っ張り出して驚きましたよ。「リヒテルとクライバー???」とね。

そのような音源を持っていたとは完全に忘却の彼方に行ってしまっていたよ。しかもSACDハイブリッド。

ドヴォルザークのピアノ協奏曲などと言う存在自体もすっかり忘れていた。

どう言った経緯で買ったのかは最早覚えていない。過去ログを漁れば出てくるのだろうけれども、あえて調べない。忘却の浪漫に身を任せる主義だから。

さておき。

いやぁ、リヒテルはやはり「戦うピアニスト」だなぁ。

指揮者と戦い、オーケストラと戦い、そしてピアノと戦う。常に臨戦態勢なピアニスト。だが、そこがいい。ガツガツしている。ハングリーな音。でも決して粗野なところなどは無く、ピアニストとしての個性と一流であるところの華を持っている。

自分の事ながら、このガラガラポンの出目で、何が出てくるかが分からないCDラックを眺めるのは、まこと楽しいことであり。

今また眺めてみても、視界に入ってこないディスクがあるのだろうな。

Piano Concertos