終始覆いかぶさる孤独感のようなもの。この人は、案外と吉井和哉のようなポジションにいるのかもしれない。ロックスターの悲哀と背中合わせにあるアイドルの悲哀とでもいうべきか。では「Kinki Kidsの堂本剛」という前知識を抜きにしてこのアルバムを見たときに、同じような寂しさが漂ってくるかどうか?
漂ってくるんだろうな。人がいるときのBGMにはなりえない、自分一人だけであの感覚を増幅させたいと思うときに傍らに置いておけるような。音を語るのではなく、そこからこちら側に入ってきたときに自分の肌の真下で作り替えられてから吸収されていく感覚。緩やかに、忘れた頃に効能を発揮するそれのような。