音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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2015撰

さて、今年も音楽の総決算を。

先日さり気なくアップした「2015撰ノミネート作品リスト」の41作品の中から11枚を撰出しました。他の30枚がダメだったわけではなく、41枚の中から強く印象に残った作品、まとめた言葉として残しておきたい作品をピックアップした結果がこれです。では、その11枚を発売日順に一気に。

ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~
ヨシー・ファンクJr.〜此レガ原点!!〜 / 吉井和哉 (2014)
もともと歌謡曲のボーカリゼーションとの親和性の高い吉井和哉ならではの、歌謡曲へのリスペクト精神が光った一枚。お題目を与えられるとこの人は強いのだと言うことを久しぶりに思い出した。背伸び気味のオリジナルアルバムが続いた中での原点回帰は勇断とも言える。

ボトムオブザワールド
ボトムオブザワールド / eastern youth (2015 ハイレゾ 96/24)
eastern youthが久しぶりに切れ味の鋭さを見せつけてくれた作品。ここ数作、やや大人しい印象の作品が続いたからこそ、余計にその鋭さがぎらりと光った。人間は結局一人で背筋を伸ばして生きていかなければならないのだ、と強く訴えかけられた一枚。快作。

MUSIC
Music / Polaris (2015 ハイレゾ DSD128)
活動再開後初のフルレンスアルバム。あのPolarisの空気をまた再び味わえるという喜びと、これまでになかった躍動感が加わったことでの喜びとで、とにかくPolarisならではの「多幸感」を深く噛み締めることの出来る作品を提供してくれた。これまた快作。

EPIC DAY (通常盤)
EPIC DAY / B'z (2015)
シンプルかつロックなB'zが戻ってきたと言える一枚。大粒な曲があるわけではないけれども、上手い具合に小粒でもピリッと来る楽曲を取り揃えてきたという印象。原点に戻って来たような、それでいて新境地をまた見つけ出したかの楽曲集。

triology(通常盤)
triology / クラムボン (2015 ハイレゾ 96/24)
1stアルバム『JP』でそのポップネスに一発でKOを喰らったものだけれども、その後はどこか地に足が着いていないようなイメージだった。ところが本作で突然地面の存在に気がつき、かつそれを掘り下げようとするエナジーを強く感じさせた。強靱。その一言に尽きる。

プロトコルII
Protocol II / Simon Phillips (2014 ハイレゾ 96/24)
今年のマイブームの一つにインストゥルメンタルロックが挙げられる。その筆頭がこの作品。ムードに依存させるジャズではなく、あくまでも攻めの姿勢で繰り広げられるロック。そしてジャムセッションの感覚。非常に原石的な剥き出しのロックの一つの形を提示してくれた。

Nothin’ but the Bass
Nothin' but the Bass / 櫻井哲夫 (2015 ハイレゾ 96/24)
歌うベース!ベースを使ってポップスの数々をカバーしようという姿勢がまずは面白く、そして櫻井哲夫ならではのベテランのプレイが派手に輝いていた一枚。技巧と歌心、そしてポップスとフュージョンの両立が図られ、完成度の高いカバーアルバムを作り上げてくれた。

REFLECTION{Naked}完全限定生産盤(CD+DVD+USB)
REFLECTION {Naked} / Mr.Children (2015 ハイレゾ 96/24)
ようやく裸のMr.Childrenが戻ってきたと諸手を挙げて迎え入れることの出来た作品。この数年、小林武史によるオーバープロデュースが目立ち、バンドの姿が隠れてしまう結果に陥ることが多かっただけに、良心的かつ"Naked"な一枚を自力で作り上げたこのバンドの懐の深さを思い知らされた。

Michael Ray
Michael Ray / Michael Ray (2015 ハイレゾ 44.1/24)
ブルーグラスというジャンルに出会ったのも今年の収穫の一つ。しかしカントリーベースのそれではなく、ロックベースのそれに強く惹かれた一年だった。若手らしからぬボーカリゼーションとキャッチーなメロディにやられて再生回数を稼いだ作品。期待の星。

BLOOD MOON(通常盤)
BLOOD MOON / 佐野元春 & THE COYOTE BAND (2015)
「そうだ、この人は孤高の存在だった」と思い出させてくれた、ある意味原点回帰な一枚。ロックと言葉。それがこの人のアイデンティティであり、都市に生きる人間の背中を押し、そしてやはり一人であると歌うその姿が戻ってきたことにただ感謝するのみ。

BUTTERFLY バタフライ
BUTTERFLY / fox capture plan (2015 ハイレゾ 96/24)
今、一番面白いインストゥルメンタルバンド。リリースを重ねる毎にバンドとしての強さを身につけてきたその結実がこの一枚に。ピアノだけが主人公だったこれまでの作風から、三人がそれぞれのアプローチで自分の存在を訴えかける作りに仕上げてくれた。

今年「成分表」にリストされた作品は400作品強。シングルとして購入したハイレゾ楽曲もリストされているので大体それくらいの数字かと。そこから約1/10がノミネートされ、そしてそこから更に1/4をこうやって120文字前後で語れた事は、実は結構いい具合の収穫度合いだったのではないかと。

毎年同じ事を言ってますが、これだけの音楽に出逢えたことに感謝をすると同時に、来年もまた沢山の素晴らしい作品に出逢えますように。