音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

当コンテンツではアフィリエイト広告を利用しています

SCIENCE FICTION / 宇多田ヒカル (2024 96/24)

引越に伴う転出入作業、どうにかこうにか完了。

搬出時のダイニングにあった物たちの断捨離が、時間のなさから目標の6割程度にとどまってしまったとか、とにかく想像していた以上にドタバタしてしまったりとか、早々に疲弊して心身ともにギリギリの所での作業になってしまったりなど、反省点は多いものの、完了すればそれでいいのです。ええ。

転出に伴って、なにせ30余年も住んでいた前居のこと、敷金だけでは修繕費用がまかなえないだろうと覚悟を決めていたものが、蓋を開けてみればその三分の二が返金されるという想像もしていなかったラッキーな出来事もあったりと、様々な観点において「終わりよければすべてよし」となったのです。

まぁ、挙げればキリがないのですよ。

これからしばらくの間は段ボールに囲まれての生活になりますが、徐々に荷ほどきをしながら、ゆっくりと新しい環境に慣れていきましょう。

そんなこんなで、ギリギリの所でこのアルバムを頻繁に聴いておりました。宇多田ヒカルらしい、素晴らしいベストアルバム。ここまでくると再構築ベストアルバム、ですな。選曲、配置、リミックス、新録、それらが絶妙なバランスで収録されている。聴けば聴くほどに、考えを巡らせるマージンが大量に含まれている。

何よりも素晴らしいと感じたのは、彼女の曲が2時間近く収録されているのにもかかわらず、その重さに辛いと思うこともなく、長いと思うこともなく、次々と現れる栄光をまとった楽曲たちに圧倒されながら、あっさりと聴き終える、そして何度も聴けるところ。過去の重荷に対する精進落としを行ったかのごとく、彼女の過去を完遂しているのですよ。

アルバムリリース発表時に曲目を眺めた際に頭の中をよぎった、リテイクは版権の兼ね合いだろうか?、ここまでリミックスバージョンが入っていて違和感は発生しないのだろうか?などといった邪念や危惧が一発で払拭される仕上がり。

これこそが彼女の過去と今を一本の線で繋げる、もしくは一つの面に展開させる、最良の手法であったのだと思わされるのです。

…取りあえずこの辺で。まだ引越ダメージから完全に復活できておわず、手負いの状態でありますが故。

SCIENCE FICTION (通常盤) (特典なし)