音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 / フォークト, ペトレンコ, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (2009 ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

ペトレンコ、ベルリン・フィルでの2回目の客演によるベートーヴェン。ピアノはラルス・フォークト。

このピアニストの存在は寡聞にして知らなかったのだけど、表情の豊かなピアニスト。確実性も聴きやすさも抜群。演奏に素直に感銘を受けた次第。

映像を伴うことで、曲に対する新発見が多く見られることは、これまでの経験でクセになりつつあることであって。ペトレンコの指揮はこの頃から独特のアクションなのだな、やら、ここでこの楽器がこれほどまでにフィーチャーされていたのか、など。

音声だけでももちろん十分にクラシックを楽しむことはできるけれども、映像の説得力には負ける。

インターネット回線の帯域さえ確保出来れば、この画面で、この音質で、ここまで豊かな演奏を楽しむことができると言う、その技術を享受できることは本当に僥倖であって。

ベートーヴェン:交響曲第3番 / クリュイタンス, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (1958/2020 CD-DA)

ベルリン・フィルとしての重厚さと、そこはかとない茶目っ気の両立。

楽章毎の場面転換を、オーケストラメンバーそのものが楽しんでいるかのようにも聞こえてくるから不思議なもので。

茶目っ気と称したのは、その演奏のギャップのようなものが、どこかフレンドリーなものであるかのように聞こえてきたからであって。

オーケストラの歌い方やスタンスが、今のそれとは大きく異なるから、と言うのは解なのかな?

だとすると、では、その違いとは何であるか?と言う話になってくるのだけれども。

うーむ。

ショパン:ピアノ協奏曲第1番 / サンソン・フランソワ, フレモー, モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団 (1965/2020 SACD)

いともたやすく、ショパンの迷宮に入り込んでしまった。

ショパンの協奏曲は2曲しかないというのに、先程のアルゲリッチ、そしてこのフランソワの演奏を聴いていたら「これはもっともっと掘り下げるべき楽曲ではないか?」と思うに至ってしまった。

この2曲は、扱いがデリケートな楽曲なのではないかと。

ロマンティックに過ぎても、それは裏返せば退屈にも繋がりかねない。かといって、技巧に溺れても同様。中庸は間違いなく面白みに欠けるだろう。

これはまたしても、迷宮と言う名の沼にズブリと片足を突っ込んでしまったらしい。今度はショパンか。

正直なところ、もう助けて欲しい。これ以上沼に入り込むなんて、そんな途方に暮れることはもう沢山なのに!

シューマン:ピアノ協奏曲&ショパン:ピアノ協奏曲第2番 / アルゲリッチ, ロストロポーヴィチ, ワシントン・ナショナル交響楽団 (1978/2019 SACD)

今まで全く疑問に思っていなかったのです。シューマンとショパンがカップリングされていることに。

今日、このディスクに目が止まった時「はて?なぜにショパンなのだろう?」と不思議に思ったクラシック初心者が私です。

これまでも聴いているディスクであるはずなのに、今になってそこに疑問を抱くとはね。

聴いてみてなるほど納得。なんとも叙情的なピアノが強烈に印象を残す、ある意味分かりやすいカップリングではありませんか。

シューマンは分かったような気になっていたのだけれども、このショパンとの組み合わせによって、よりその叙情性が深まり、理解することができたという、今さらながらの体たらく。

もちろんショパンに関しても、あ、これがショパンのピアノ協奏曲の味か、とこちらも今さら気がつくと言う始末。

もちろん、そこに気がつけただけでも良しとしましょう。そしてこの2者の共通性を浮き彫りにさせてくれた、アルゲリッチの演奏にも感謝を。

three cheers for our side / Flipper's Guitar (1989/2006 FLAC)

アバドのボックスセットをリッピングしながら。結局、先週中には片付けられなかったな。

単調になりがちなリッピング作業を、軽快な気分にすべくこのディスクを。フリッパーズ・ギターで一番好きなアルバムだよ、これ。

もう、一体、何十年聴いているのだか。とても30年以上前の作品とは思えないフレッシュネス。

Song Book 1985-2010 / Simply Red (2013 FLAC)

Disc1、80年代のコンパイルを再生。

近年ではすっかり渋い声になってしまったミック・ハックネルさんではありますが、デビュー直後のこの若くして味のあるボーカルは、不思議な色香を持って素敵に耳に入るのであります。

伸びやかなボーカルも素敵なのだけれども、時折聴かせるシャウトやフックもまた格好いいのであります。

Song Book 1985-2010

ユーミンからの、恋のうた。 / 松任谷由実 (2018/2019 96/24)

全45曲中、28曲を、途中寝落ちしながら聴く。

恋愛と言うテーマが統一されている分、全体的なトーンも比較的穏やかに統一されているようで、心地よく聴くことが出来る。

ユーミンはシーンの描写力に長けているのはもちろんのこと、それを脳内に映像として立ち上げさせるのも、どこか卓越した力を持っているのだなぁ、と当たり前のことをのほほんと考えながら半分寝ていたのです。

海につれていって / 渡辺真知子 (1978/2014 96/24)

DREAMS COME TRUE≧渡辺真知子。

などと言い出すと「また何をトチ狂ったことを」と言われそうだけれども、特に歌詞の世界観において、DREAMS COME TRUEが持っている幅広いそれのあちらこちらに、渡辺真知子のそれがヒントとなって眠っているような気がするのですよ。

特に恋愛物の歌詞において、時代背景こそはさすがに大きく異なるけれども、悲哀と喜びと言った物にはそれほど大きな差はないと思っているのだよね。

そう考えてみると、DREAMS COME TRUEにおける吉田美和の作詞術、作詞における素材選びと、渡辺真知子のそれが、一番最初に現わした式になるのではないか、などと。