音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Tapestry / Carole King (1971)

塾講師をしていた学生時代、先輩講師に「洋楽洗脳プロジェクト」をお願いして貸してもらった中にあった一枚。もう10年近く前になる話だけれども、その時にセレクトされた音源は間違いなく「歴史的名盤」と「今後の名盤」をブレンドしてもらっていた。しかもバランスよく。

今、その当時の先輩講師(といっても年齢は3つほどしか変わらないが)よりも歳を重ね、そしてその間自分が好む音楽を聴きあさり続けてきたわけだけれども、もし自分が同じようにプロジェクトを依頼されたとして、その誰かにその場のインパクトとその人の10年後に振り返ることのできるインパクトを与えるセレクションができるだろうか、と思いながら聴く。

キャロルキングのこの歴史的名盤に関しては、当時の自分が「1曲目はかっこいいなぁ」と思った程度で、結局手元に残すこともなく返却している。今日、図書館にて発見し手に取り、そして、何も考えない状態で聴いてみたところ、あの中の一枚だったと思い出した次第。

1回目はいつも通りDACを通して、そして2回目はCDプレイヤーから直接アンプにつないで再生。こういったアナログベースの音源は、20年選手のCDプレイヤーの非シャープさが心地よい。音楽は分解ではなく、プラセボとシチュエーションを混ぜ合わせた「個」自身が受け止めるためにある。