朝からずっと重いままだった身体。おそらく夏バテの類いなのだろう。太陽があまりにも強すぎ、冷房もそれほど意味をなさない部屋で、水分補給だけは怠らずにじっとしていた。
神経は妙な落ち着きのなさを伴い、午後にはボーカルの入った音楽が聴けなくなった。何度も椅子の上で寝落ちを繰り返した。
日付が変わろうとする頃、再び、椅子の上で目が覚めた。アルコールも入れていないのに、また寝てしまっていたらしい。
部屋はようやく涼しさを得ていたが、冷房のファンの音がやけに耳に障る。
イヤホンをセットし、チャーリー・ヘイデンとパット・メセニーの二人だけで紡がれる、静かな音の世界に心を投じる。
おおらかな大地と、果てしなく広がる空。夜中の耳にゆっくりと染みいる風景。
2020年夏。
まだ夏先は長いというのに、自分は早くも疲れている。