中年男性のロマンティシズムやセンチメンタリズムと言ったものは、日本語に集約させると「情けなさ」につながっていくように思える。
それは「失われた芯」や「燃え尽きた情熱」などと表現してもよいのかもしれない。
自分の中に残る燠を客観的に眺め、時折思い出したかのようにその熱さに指先を差し込み、その熱量の高さと冷めてしまった現実との落差に愕然とさせられるかのように。
この歳になって、より一層、高橋幸宏や鈴木慶一が根源的に持っている、その燠が生み出す虚に心惹かれるようになってきたのは、人生の当然の帰結なのかもしれない、などと。