なんとなくカヴァーアルバムを連続で。アコースティック系なカヴァー物を。最後までツルッと聴き通せてしまった。このアルバムもしばらく聴いてませんでしたね。アニソンカヴァーですが、これは企画倒れに終わっていない。いいカヴァーアルバム。いや、単に私が好きなだけです。
「Rain」でぐっと心をわしづかみにされるのは、やはり楽曲の素晴らしさと、Wakanaの歌の巧さによるところにあるのだろうな。
「Get Wild」のカヴァーがギャグになっていないあたりも手放しで格好よいかと。両曲ともストリングスの使い方が効果的なのだよね。アレンジの妙が光る。この曲を下手に打ち込みでカヴァーするとギャグになってしまう。相対的にあの時代の小室哲哉の尖りっぷりを象徴しているとも言えるのだけれども。
「愛にできることはまだあるかい」の終盤の熱の入ったボーカルも泣かせるよね。過去にも書いた記憶があるのだけれども、RADWIMPSのオリジナルよりもはるかに効果的に耳に入る。「Kalafinaひとり」とか「Kalafina -2」等と思っていた過去の自分、謝罪なさい。
…そんな話をしたいのではない。
ボーカルの力量のみならず、どこまでドラマティックに楽曲を作り込めるかと言うのも、カヴァー作品に求められる要素なのだよね。本作品では全面的にストリングスを起用する時点で、ある程度のクオリティの担保はされていたのかもしれない。