TRIXの記念すべきオリジナル20作目。
って、TRIX、そんなに枚数重ねていたのか…。
歌物楽器がやけに気合いを入れている一方で、リズムセクションがもう手癖でやっているように感じられるのは、あくまでも気のせいかしら?ドラムの切れ味のぬるさといい、ベースの気合いの入りきらない雰囲気といい。
なんだろう、この不思議とネガティヴなバンド内ハイブリッドさは…。
それらは肩の力が抜けていると言えば聞こえはよいけれども、どうにもこうにもTRIXとしての惰性で、トロトロと歩いているようにも感じられてならないのだよね。走ることすら忘れているかのような。リズムセクションだけが唯一のオリジナルメンバーだと言うのに。ネームヴァリューとしても大きな看板も背負っているのにね。
TRIXを聴く際に、フュージョンを聴くような心構えではいけないとはわかっているくせに、やはりどこか異端なインストミュージックを聴いているかのような気分にさせられるのは致し方ないことなのかしら。まぁ、そもそもが日本におけるフュージョン界隈の異端児ではあるけれども。
でかい物を背負っていても異端児か…。
録音の安さも気になるところだよね。特にドラムの一本調子な音のバランスは、ミックスの段階でどうにかならなかったのかと、聴きながら小一時間悩んでおりましたよ。こうも苦言をつらつらと書いてしまったのは、おそらくそこが自分にとっての聴いていて最も苦しくなるポイントだったからなのだよね。ミックスがしっくりこないので、全員がそっぽを向いて演奏をしているような感覚すらおぼえてしまうほど。
バンド内に求心力が存在しないのかな…。
ある意味において「CASIOPEAシンドローム」に罹っているのではないかしら…。
自分の高校生時分にこのサウンドがあったとして、果たしてここにときめいたかな…。
とまぁ、諸々悩ましい感覚に包まれながら聴いておりました。