音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

In My World / 山本真央樹 (2021 48/24)

DEZOLVEドラマー、山本真央樹の1stソロアルバム。

これまた壮大なアルバムを作ってきたな、と言う第一印象。

22分以上に及ぶ一大クラシカルサーガとも言える表題作をメインに、DEZOLVEでも見せていたテクニカルなフュージョンナンバーまで、彩り鮮やかな楽曲を並べている。

ドラマーのソロアルバムとなると、様々なゲストを迎えることで成立すると言った印象があるのだけれども、その辺りは楽曲としてのまとまりがよいこともあってか、散漫な印象を受けることは全くない。

前半のフュージョンパートとも呼べる楽曲群においては、山本真央樹が考えているであろう自らのフュージョンの形を具体的に提示することに成功している。豊富な場面転換を持つ楽曲が、息をつかせぬ展開で押し寄せてくる印象。

ふと思い出したのが、ソロ活動を始めてからの本田雅人が2000年に『Real Fusion』と題して、自らの考えるフュージョンをプレゼンしてみせたこと。

山本真央樹もまた、DEZOLVEとは異なるメンバー構成でその形を提示することに意欲を持ったのだろうと想像出来る。

その意欲は前述の表題曲にまで昇華され、一フュージョンアルバムと言った枠では収まらない、スケールの大きなアルバムとして仕上げてきた感がある。

メロディが重視される日本のフュージョンにおいて、DEZOLVEも、そして山本真央樹もまた、ある意味異端であるのかもしれないが、その異端であることこそが、カテゴリからのブレイクスルーを図る、自由なる存在となっているのではないかとも考えられるのだが、その点はいかがだろうか。

In My World