昨晩から帰宅後にはずっとこのベスト盤リマスタ音源を聴いている。
自分にとってまだ子どもだった頃の、あの昭和の像を凝縮させて再提示されているような気分になっている。時代をさかのぼっていく曲順が、過去へと戻っていくタイムマシンに乗せられているような感覚で。
特にDisc3などはその極みにあってね。中島みゆきがとてつもない「情歌」の歌い手であった時代のそれがね。当然の事ながら、幼い頃に聴いていたそれとは段違いの説得力をもって今の自分に訴えかけてくるのだけれども。
元来が自分の中にある大きな題目に向き合った楽曲を作ると、他を寄せ付けない規模のスケールを持った曲を作る作家ではあるけれども、近年のひたすら「それ」な中島みゆきよりも、時折それを提示する中島みゆきの方が何かと風通しが良いように思えることもあってね。
行間を埋めるような現代的作風か、行間を読み取らせる仕掛けを持った作りのそれか。そこの差は想像以上に大きかったな、とも思えるわけであります。
「ファイト!」(本コンパイル未収録)をチョイスするか、「ホームにて」をチョイスするか、の差とでも言えばいいかな。そこは聴き手の自由なのだけれども。
そんなこんなでB面に収録されていた曲たちがまたいいんだ。
ああ、ぐだぐだと書いているうちに通して聴いてしまったな。
また聴くか。