音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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常夜灯 / 中島みゆき (2012 FLAC)

先ほど図書館へ出向き、これで2010年以降の中島みゆきのオリジナルアルバムは全部揃った。

この所、自分の中で急激に中島みゆきの存在感が増している。そのきっかけになったのは2016年にリリースされた『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』に収録されていた曲がどれもこれも秀逸で、聴けば聴くほどに、聴いている自分の感情が一人のシンガーに揺さぶられるという現象に今さらながら驚いて、それで手を出してみようと思った次第なのだよね。

手を出しやすそうなあたりからと言うことで、2010年以降という縛りで一通り揃えたわけだけれども、一作聴くとそれだけでもうグッタリとしてしまう。「自分の心に刺さる」と言った生半可なレベルではなく、「自分が自分と都度向き合わせられる」と言った状態なので、もう心がグラグラですよ。

人が人として生きる上での回り道とはどのようなものであるか。人が人から外れて生きるという茨の道はどれほど痛いものか。その全てを知っているような書き口語り口歌い口で、自分をノックアウトしていくような感覚。聴けば聴くほどにフルボッコにされてますよ。でも聴き手を痛めつけるだけではないのは、中島みゆき自身のキャリアの積み重ねと、その年齢から来る偽りのない説得力がなせる技なのだろうな。

人生、どこかに必ず救いはある。そう言った菩薩の笑みが最後に待っているのも、中島みゆき作品の魅力の一つではないだろうかと、ふと思い始めても来た今日この頃。ええ、まだまだ聴きますとも。ただ1日に何枚も聴けるものではありませんが。