音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Gary Clark Jr. Live / Gary Clark Jr. (2014) Hi-Res

朝からちょっと大きめのボリュームでGary Clark Jr.のライブ盤。

がっつり聴かせる前半戦から、ゆったりと歌う後半戦と、そのコントラストが素晴らしい。前半戦の某曲では、室内にいることをいいことに、思わずロングトーンの細っこいヘナチョコシャウトをしてしまいましたよ。何かを叫ばずにはいられない、非常にエモーショナルな演奏と歌唱。この人、意外とファルセットもいけるので、非常に表情豊かなボーカルを聴かせてくれる。いやー、本当に2010年代のブルーズを象徴しているのではないかと。

うん。やはりライブ盤の方が格段にカッコいい。過去2枚のEP、LPでは何か足枷がハマっていたような感覚だったのだよね。

Ken's Bar Ⅲ / 平井堅 (2014) Hi-Res

foobar2000上のハイレゾファイルも結構増えてきて、選択肢が出てきたというのは非常にいいことだ。その分、投資もしているということになるのだけれども。投資に見合ったアルバムを引けば勝ち。投資に失敗するケースもあり。ハイレゾはまだまだ成長過程なので、ハードもソフトも玉石混淆であることは違いない。

ということで、投資に成功したアルバムを1枚。ガツンとハイレゾ、という感じではないのだけれども、楽器一つ一つの立体感がそれなりに出ているポップスとしては上出来の録音のアルバムでは。

ハイレゾという観点から切り離しても、よく出来たカバーアルバムかと。これ、今年の終わりまで聴ききるな。2014撰にも出てくる可能性大。最後の「マイ・ウェイ」で毎回背筋ゾクゾク言わされてますので。

The Violet Flame / erasure (2014) Hi-Res

聴けば聴くほどハマる今作。一応ハイレゾなのだけれども、サンプリング周波数は浅め。でも、2曲目あたりで、ハイレゾならではの打ち込みサウンド向けエネルギー感が身体に当たる。たまにはスピーカー正面から音楽を聴かないとね。

ハイレゾ云々を抜きにしても、今作は非常にフロア向け4つ打ちが中心になっていて、かつ夜の雰囲気がよく現わされていて、erasureのこれまでの作品の中では最も異端で最も渋いのでは。少なくともハッピーなerasureはここにはない。非常にダーク。そこがまた新鮮味の現われと言ったところか。

これ、今のところ、今年下半期の傑作群に入りつつあります。

SANCTUARY~Minori Chihara Best Album~ / 茅原実里 (2014)

これで茅原実里ベストコンプリート。

昨日の段階では「ファン投票物ディスクはキツい」と書いたのだけれども、実際に聴いてみると、これが、キツい。うん。僕はそこまで茅原実里にはのめり込んでいないんだな。今後聴くのは、Disc1と2だけでいいや。

あ、あと前々から思っていたことなのだけれども、「暁月夜」をカラオケで歌いたい。

GO! GO! SILVA / SILVA (2014)

あら、いつの間にか歌手業に復活していたのね、SILVA姐さん。

で、その復活一発目が昭和歌謡のカバー。これがまぁ、よく出来ている。アレンジも原曲の雰囲気をぶち壊しながら、うまく再構築しているので新鮮味十分。純粋に原曲をなぞっているだけのアレンジよりもナンボもかっこいい。

問題はボーカル。これがごくごく普通なんだわ。いや、当時の歌手の歌唱法を懸命にトレースしようとしているのだけれども、それにはちょっとSILVAの声の線が細い。アレンジが頑張り過ぎちゃっている分、その線の細さが惜しさに繋がるんだよね。

ただ、ヒット曲のみで構成され得て、ひたすらゴーゴーな雰囲気でかっ飛ばすので、なかなか痛快な30分(!)なのではないかと。僕はこれはアリだと思います。

MOTHER OF ALL THE BEST / THE YELLOW MONKEY (2004)

しかし煙草がないと手持ち無沙汰というか、音楽を聴く以外に何もすることがない。音楽に集中するのも当然のことだと言える。居間から父が吸う煙草の匂いが漂ってくると、えも言われぬ多幸感に襲われるのだが。煙草吸いたいなぁ…たぶん、ここで吸うかまだ我慢するかが一つの分岐点なんだろう。

ということで、THE YELLOW MONKEY。やっぱりこのベスト盤が最もバランスの良いものだと思うのだよね。新旧織り交ぜて、かつ『SICKS』の成分もしっかりと蓄えられていて。このバンドだって、若い子にとってはもう懐メロとか、昔のバンド、というイメージになっているのだろうな。分かってはいても寂しいものがある。

あなた、『SICKS』だけで12編の掌編が書けますわよ。それくらいとんでもないバンドだったんですよ。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲 / (グスタフ)レオンハルト (2008) SACD

ギヤマンですな。音をガラスに精巧に切り刻んでいくチェンバロの響き。最終的に何が出来上がるのかは分からないけれども、絶対に美しい物が出来上がるだろうという自信と安心感。単音で紡がれるバッハは、頭の中でパズルを解いているようで、特殊な感覚を引き出されるのであります。そして眠りに誘われる。

バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番〜第3番 / カザルス (2003)

レオンハルトからの流れで、バッハもういっちょ。単音系のバッハはあとはカザルスしか持っていない。

で、聴き始めたところ、これが結構鬼気迫る感あって、ブラウジングをしていても耳がついつい奪われてしまう。その昔、訳もわからず、バッハの基本と言うことで買ったこのCDだけれども、今になって聴いてみると、見えてくるもの、聞こえてくるもの、世界が違っているのが実感出来る。音楽が財産になるということを実感した瞬間なのであります。

しかし、だ。いかんせんカザルスの録音では古すぎる。ノイズも目だつし、録音は乱暴だし。ということで、モダンな演奏・録音の無伴奏チェロ組曲を探しているところ。評判の良いのがシュタルケル。AmazonでもHMVでも抜群の人気。そういう観点から購入するのも悪くないとは思うのだけれどもね。念のためにお師匠様に評判を訊ねているところ。ディスクも安いしね。

DELICATE PLANET / access (1994)

うーん。10/1にハイレゾでリリースされるとのことだけれども、改めてこのアルバムを聴くと、やはりそれほど好きというほどでもないのだよね。好きな曲も多いけれども、棒にも箸にも引っかからない曲が若干多いように思われるのです。

なので、ハイレゾ音源を買うのはパス。その代わり、急激にドタバタと増えてきた買いたいCDにお金に回そう。お金は無尽蔵ではないのでね。