このバンドはやっぱり1回目ではダメなのだな。自分自身が「なんだかわからないけど、1回目のインパクトとあとに引きそうな潜在能力」だけで全てを絶賛できるような体質から脱却できつつあるからなのかもしれないが。
頭がよければいびつな建築物すらアートという隠れ蓑を用いてそこに形を遺してしまうことも可能なのだろうが、その手の頭の良さは、誤魔化されてしまった結果不格好に増殖してしまったマスの影響力という小骨さえ取り除いてしまえば、効力はこれっぽっちも持たないわけで。
で、このバンドはその小骨では済まさない根毛の世界で、時折偶発的に音楽の建築物を遺しているような気も実はしないでもないのだ。フロアの隅では読み切れなかった湿気の停滞に壁紙が浮き始めている、ガラス張りのファサードでは設計者のエゴが絶賛の対象としてすり替えられてしまったビルディングのような。
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ボーカルがもう少し奥に引っ込むミックスだったら、もっと好印象なんだがなぁ…お世辞にも、ボーカルの声がバンドとしての味をつけているとは言い難いので。