音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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新宿の女 / 藤圭子 (1970/2013)

母に「藤圭子のアルバムなら1,890円で買えるよ」という話を振ったら「買ってくれ」と。代理でAmazonにて購入。しかしこんなタイミングでBlu-SpecCD2でリリースされていたとは。

中身はというと、もうムンムンの歌謡曲。そこにドスの効いたハスキーな歌声が乗るのだから、これは相当に当時の音楽界はのけぞっただろうな。オリコン20週連続1位という記録も凄まじいけれども、この声が引きつけるパワーも凄まじい。歌謡曲というジャンルが世間を巻き込むヒットを生み出していた時代の寵児、という感じなのだろうか。

山下達郎でも痛感したのだけれども、70年代というのは掘り下げれば結構混沌とした音楽にあふれていた時代のような気がする。とりあえずは青春歌年鑑の70年代あたりを聴き込んでみてもいいかもしれない。

なによりもトラックを音で埋めるという時代ではないので、相対的にボーカルが引き立つミックスになるのだよね。その分、歌唱の説得力も増す。80年代半ば辺りまではそれでよかったのだ。録音技術の向上とシンセサイザーの普及が音楽を大きく変えた。「かつて歌謡曲というジャンルがあった」という結論に至ります。合掌。