音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Kind of Blue +1 / Miles Davis (1959/2005)

そんなTSUTAYAのキャンペーンの中で、ようやく自分が借りたいと思っていたCDを思い出して接収。それがこの作品。いつか聴こうと思っていながら、いつも忘れてしまっていたアルバム。ようやく聴けた。

マイルスには何度か挑戦しようと思ったけれども、どうにもこうにも妙な世界での音楽ばかりで、その高名っぷりの意味が分からなかったけれども、ようやくここでその意味が分かった。

マイルス一人だけが頑張っているわけではなくて、コルトレーンやビル・エバンスの静かなる熱演があってこその傑作と呼ばれる作品を作り上げたのだな、という印象。

真夜中の散歩のように、自分自身が闇に溶けていくようなインビジブルな恐怖のような側面はあるけれども、基本は「ジャズと言えばこういう雰囲気でしょ?」というお約束を作り上げた名盤の一つではないかと。

ジャズというジャンルはあまりにも広すぎ、かつ、評論家の小難しい意見に流されやすく、何かと取っつきにくい世界ではあるけれども、名盤と呼ばれるものを無の心で聴けば、なにかしら心に響いてくる音があるはずだ。その音が奇跡的に重なり合った時、その作品は名盤として認定される。そして自分にとっての宝物になる。

さて。Blu-SpecCD2でもリリースされているこの作品、HDTracksからもハイレゾ配信がされている。ディスクとして持っていたい気分にもなるが、どうせならこの上ない高音質で手元に置いておきたい気もする。

何度かこの作品を聴き返しながら、ディスクにするかデータにするか、悩むことにしよう。この優しくも鋭い音の世界に耳を傾けながら。