こちらもブックオフにて接収。900円の所、傷ありということで200円引きさらに20%OFFで600円。
このアルバムは鬼束ちひろの集大成的側面がある作品だと常々思って聴いている。この人の女性ならではの昏さが程よく配置されて、演奏面でもメロディも非常に充実している。羽毛田丈史が鬼束ちひろのパブリックイメージの構築に成功したのであれば、坂本昌之はその華を大きく開かせた存在ではないかと。ロック調の曲もサイケ調の曲も、そして鬼束ちひろならではの壮大なバラードも、うまいことまるっと収まっている。鬼束ちひろもこの作品を作るに当たってはノリにノッていたのではないか。
セールス的にはもうすっかり落ち目になってしまった頃の鬼束ちひろ作品だけれども、その充実度は、羽毛田丈史プロデュース時代のよりも格段に高い。この人の代表作として評されてもよろしいのではないかと思っている。