津軽三味線。奏者による新曲ももちろん良いのだけれども、今、一番面白いのは、やはり古来の民謡における津軽三味線楽曲。
そこで上妻宏光のこのアルバム。とにかく民謡、古典で攻めの一手を見せるあたり、すっかりベテランの風格。すっと世界に入り込んで聴き入ってしまうその魅力は何物にも代えがたい。
様々な新曲の発表、ミュージシャンとのコラボレーション。そう言ったものを経て、原点に戻って来てのこの背筋の伸びた格好良さ。
自分こそが津軽三味線奏者だと言わんばかりの自信にも満ちあふれているようにも聞こえてきて、そこがまた魅力的なのであります。