不定期開催ミッドナイトヘッドホンリスニング。
ミケランジェリが、艦たるオーケストラに自らの楔を打ち込み、そこに痕を刻み込むかのごとくの迫力まで今日は感じ取ることが出来た。
オーケストラにただ乗っているだけの演奏であるはずがなく、確固たる意識を持ってベートーヴェンに臨んでいるのだなと、実感させられることこの上なく。
そして聴き入れば聴き入るほどに、そこにある音の広さと自分自身が持っている言葉のキャパシティとが大きく乖離していくこの悔しさ。
それは音楽に対峙する上での雑念であるとも言えるのかもしれないが、否応なしに呼び起こされるこの忸怩たる思いはいかんともしがたく。
音楽の泉は果てなく深いというのに、私の言葉があまりにも浅すぎる。ここはまだまだ音に浸り、そこで頭を垂れているしかないのだろうか。