エベーヌ弦楽四重奏団による2014年作品。ブラジルゆかりの音楽、もしくはブラジリアンミュージック的なアプローチでカヴァーをする企画アルバム。
今の今までこのアルバムの存在を知りませんでした。今月のワーナークラシックのハイレゾアルバムプライスオフをチェックしていたら、たまたまこれに遭遇したのです。
ジャズもやる楽団とは知っていましたが、実際にその中身を開けてみると、これが実に生活と気分を豊かにしてくれるような楽曲と演奏ばかり。ボーカル、リズムと言ったゲストを積極的に取り入れていることで、クラシカル・クロスオーバーの枠を超えて、本当にブラジルであるな、と。
ストリングスとポップスとの相性はもちろん抜群なのですが、それをストリングスがポップスをやることによって、楽曲が持っていた幅を大きく広げる結果に繋がっているところがまた素敵ではないかと。
単なるBGMには決してなりようがなく、ボーカル曲ではボーカルの持つレンジを引き出すかのような演奏。ラストの「ブラジル」など多幸感の極みではないですか。
こういった音楽こそ「素敵な音楽」と素直に言えるのではないかな。