このアルバムはリアルタイムで聴いていました。
ところがどっこい、今あらためて聴き直してみると、あの当時の自分にはこの作品が持つ骨太かつグルーヴィーな作風をこれっぽっちも理解できていなかったのだと深く反省。熱い石の表面を指で一瞬だけ触れただけで、それを引っ込めてしまっては熱量の全てが分かったような顔をしていたな、と。
今聴いたその感想を有り体に言えば「男臭い」のですよ。「オリジナル・ラヴ」=「スマートでオシャレ」と言ったような、予定調和かつ無難な先行イメージが完全にひっくり返される。先に「熱い」と書いたように、体温以上の何かが底辺に、もしくはマグマとして潜んでいる…いや、明らかにどこからか噴出してしまい、その全てを焼き尽くすかのごとく溶岩がアルバムの骨格をなしているのだな。
それは、包み隠された熱い男のリビドー、と言い換えてもよいか。それがある限り、男であることは揺らぎのない事実であり、先の「男臭い」とはそう言うことを意味していたのか。
書いた自分に納得。