ショパンは恋心、リストは歌心。
両者ともに自分の中でしっかりと咀嚼しきっていなかったためか、そのような相当に適当で曖昧なイメージで来ていたのです。「あなたはショパンにもリストにも感動していたくせに、それは上辺だけのものだったのか?」とね。
ええ。上辺だけのものでしたとも。
そのような人間なので、実際に聴いてみるまでは「ショパンとリストの食べ合わせってどうなのよ?」と思っていたのだけれども、聴いてみるとなるほどと納得させられたのでありますよ。ピアニストを完全なる主人公にするためにある協奏曲のカップリングだったのだな、と。
若かりし頃のアルゲリッチとアバドによる、録音自体は確かに古いけれども、ピアノという楽器の美しさとダイナミズムとが存分に発揮されている音源であるともね。
でも、存命のピアニストでショパンやリストをこうもしっかりと「形」にして聴かせてくれる人は他に誰がいるのだろうか。アルゲリッチはこうして聴いたわけだけれども、あとは…ああ、ツィメルマンもそうか。
この2作品をキラキラとした音で楽しませてくれるピアニストで、現代の録音で聴いてみたいとなると、あとはやっぱりツィメルマンのリストを探し出すしかないのか。CDの在庫はほぼ壊滅状態らしいけど。
と、ここまでが昨晩、本作品集を聴いた際のおおよそのインプレッションめいた内容。
こうなると意地でも探し出すのが自分の悪い性質で、しっかりとツィメルマンによるリストの協奏曲集CDを探し当てました。中古ではあったのだけれども、適正価格で真っ当なクオリティだろうディスクを。そのうちに勤め先近くのコンビニに届きます。
またろくすっぽ真っ当に聴けないくせに、そうやって音源を集める悪いクセが。