音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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infinite Resonance 2 / fripSide (2023 96/24)

アルバム開始5秒で完全にfripSideの世界を構築してしまうあたり、最早これは八木沼悟志による伝統芸能の世界ですね。何も足さない、何も引かない、何も変わらない。それがあまりにも素敵すぎて、頭がクラクラしてくる。

そしてこのツインボーカルも、改めてよいものだなと。自分とfripSideとの付き合いは2010年の南條愛乃の時代からスタートしているのだけれども、そのナンジョルノのボーカルで頭の中が固定されているかと思わせながら、トラックが前述のそれなので何を持ってしてもfripSideになるあたりが実に強固で、ボーカルが変わろうが何が起きようが、やはり素敵の極みにあるのですよ。

それでも何か変化を挙げるならば、トラックがより攻める方向に来ているのではないかと。スイートよりもビター。よりゴシックに向かっている感覚。勢いを持たせてたたみかける路線が聴いていて痛快さと快感を引き起こすのです。

新曲と過去曲とを並べると凹凸になってしまうだろうところもきれいに均されているので、聴感上の違和感がなくてよいですね。これこそがワンボーカルからツインボーカルに変化をしてもfripSideはfripSideであると言い切れる所以ではないかと。

その、もうなんだ。好きすぎて何が来ても全てを受け入れる領域にまでやって来ました。何かを論じるつもりもなくなった。いやはや、思えば遠くに来たものだ。

infinite Resonance 2(通常盤)