音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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本田雅人 with DEZOLVE @ Billboard Live YOKOHAMA

横浜まで掲題のライヴを観戦に。

本田雅人とは何かと縁があるDEZOLVEとの共演。前回の「DEZOLVE with 本田雅人」は観ることが叶わなかったので、今回の開催を知り(自分の仕事の休みが水木に変わったことを受けて)嬉々として行ってまいりました。

事前の X(Twitter)で、「ハードボイルドな選曲になる」との告知がされていたので、どのような内容になるのかにも興味津々でありました。

そして80分強のライヴが終わった頃には、私の魂はすっかりと抜けておりました。完全燃焼。

とにかく圧巻。本田雅人はその熱い音とは正反対に非常にクールなプレイスタイルで臨む一方、DEZOLVEのメンバーがよってたかって音で攻め立てる。本田雅人曲もDEZOLVE曲もとにかくロック、アグレッシヴ、テクニカル。

DEZOLVEは最新作のレコ発をCOTTON CLUBで鑑賞した際よりも、よりハードなバンドアンサンブルで本田雅人を迎え入れる、いや、迎え撃つかのごとく。その年齢差を考えると、これほどのパワーを見せつけなければならない、このジャンルでの新時代を作り上げるがごとくの、ある種の正念場のようなものでもあったのではないかと思わせるほど。

自分が座っていたポジションがギターとドラムの前付近だったということもあってか、何を見ていればよいのかが分からなくなるほどの音数の洪水。本田雅人と言う核をこの場限りで得ることで、全員が見事に主人公を張れる存在であると訴えかけている、よい意味での「俺が俺が!」と言った主張の激しさが、若さゆえの個々の存在感を持って迫ってくるあたりに、強く感銘を受けたのであります。

オーラスは本田雅人が誇る屈指の名曲「MEGALITH」。DEZOLVEのメンバー全員がこの曲が世に送り出された当時には生を受けていないことにあとになってから気が付き、さらに愕然とさせられたほどに、これまでに聴いたことがないほどに激しく、リミッターを振り切った熱量を持って届けられたのであります。

それはこの曲が有してきた呪縛「かくあるべき」を、全く新しい世代の音として奏でることで解き放ったかのごとく。

30数年に渡って「MEGALITH」の看板をしっかりと背負って立ってきた本田雅人を中心に据えて届けられた、新たな活力を得たその演奏は、2023年の「MEGALITHショック」とも言える出来事に自分にとって相成りました。

本田雅人もDEZOLVEもともに、その端正に作り上げるレコーディング物とは打って変わって、ブラッシュアップされた音に火を入れ直し、燃料を投下し、加えてさらに爆発させたかのような演奏で圧倒させてくれた今回のライヴ。非常によいものを堪能させて頂きました。

【追記】
今回のライヴを観たことでこれまで以上にDEZOLVEへの興味と感心が増すと同時に、これからの活躍により一層の期待を持ちました。

チケットレスだったので記念にこれを取っておきましょう