音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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WELCOME BACK! 本田雅人 / T-SQUARE (2023 Blu-ray)

先行配信されていた音源は既に何度も聴いていたものの、肝心の映像パッケージBlu-rayは本日発売。引き取ってきました。

結論から言えば、映像も音声も非常に鮮明で、ライヴの内容もこれまた実に見応えのある充実したものでした。フロントマンである伊東たけしと本田雅人の個々の見どころや絡みの見どころが、ライヴの構成として巧く練り上げられているものでありました。この辺は選曲者でもある坂東慧の冴えなのでしょうね。

譜面そのものを置かない伊東たけしと、様々なチェックを常に重ねながら演奏する本田雅人の、その演奏外のスタイルにも大きな差があることを知りました。今まではそのようなことを気にしたことが全くなかったのでね。

坂東慧のドラミングには華と説得力があり、今まで音源のみで勝手に解釈やら判断やらして語っていたことを深く反省するに至りました。これは視覚的な動きを伴ってではないと何も語れまいと。華やかな曲を書くことができ、そしてプレイそのものにも説得力がある。T-SQUAREが伊東たけしとの二人体制になっても存続できた理由を、このことから強く実感させられた次第でした。

配信音源では存在感がやや薄かったサポートのベースとギターも、映像として見ると相当にキーとなる演奏をしておりました。特にベースは既存の「T-SQUARE流」とは異なる自分のスタイルを、いかにしてそこに織り込んで提示するかに注力してきたのではないかと思わせるほど。

ラスト、歴代SAXプレイヤーが3人揃い踏みで演奏する絵面は「感慨深い」を通り越して「なんだ、このカオスなお祭り騒ぎは!」と苦笑するに至るほど。もちろんそれもひっくるめて楽しませていただきました。

ダラダラと書きましたが、要約すると「ユー、このおっさんホイホイのビッグウェーヴに乗っちゃいな」と。2023年式体制のT-SQUAREを知りたいなら、このパッケージはマストです。楽しめます。同時に、20数年分のT-SQUAREの流れを一気に取り戻す、振り返る、引き寄せることもできます。


WELCOME BACK!本田雅人 (Blu-ray) (特典なし)