音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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OPT ISO BOX をネットワークのどこに配置するか(発想の転換レビュー)

数ヶ月前に導入したTOP WINGの『OPT ISO BOX』。オプティカルLANアイソレータです。

OPT ISO BOXshop.topwing.jp

インターネットネットワーク(以下、ネットワーク)におけるノイズの問題は今に始まったことではなく、いかにデータ伝送をロスなく効率よく行えるか否かは、オーディオにそれが導入される遙か前から、ネットワーク機器における一つの課題でありました。

そしてオーディオとネットワークが急激に緊密に結びついた今となっては、伝送時のデータロスやノイズが音質を左右するといったところまで突きとめられています。

そこに現れたのが前述のOPT ISO BOXでした。伝送データを機器内部で光に一度変換し、それによってある種のクリーニングにも似た処理を行い、きれいなデータとしてオーディオ機器に送り出すという、コペルニクス的発想の転換を導く製品です。

世の中に数多あるオカルト的オーディオ機器とはもちろん一線を画し、上述のような「常識的な」論から導かれた製品でもあります。

果たして導入をしてみると、その効果はてきめん。なるほど確かに音楽データがノイズにまみれやすいネットワークに乗せられて伝送されるわけですから、それを整えることによって、音の輪郭、重心、定位といった、音楽を心地よく聴かせるためのファクターに確実に働きかけるわけです。

標題にある「発想の転換」とは、その機器が開発された際のきっかけであろう内容であると同時に、私の個人的なネットワーク機器の配置におけるものでもありました。

これまで当該機器はセオリーに則って、オーディオ用スイッチングハブ(Silent Angel N8)とmarantz SACD30Nの間に設置していました。ところが先日のAccuphase E-480とWiiM Amp Ultraのリプレイスによって、ネットワーク接続を必要とする機器が2台に増えたのです。

WiiM Amp Ultraを導入して早2週間。NASやサブスクサビースからの送り出し先は、SACD30NよりもWiiM Amp Ultraが優先されるようになりました。音楽を楽しむ上での利便性を重視する以上、これは当然の帰結でした。

となると次に自分の心のもやとなるものは、ネットワーク伝送されるデータ、そのクオリティのプライオリティがSACD30Nに置かれ続けることでした。

利便性だけを重んじるのであればこの配置でも問題ありませんが、人間は欲張りで無いものねだりなもの。なんとなくこのままでは精神衛生上よろしくないように思えてきたのです。かといってOPT ISO BOXをもう一台導入するのはあまりにもパラノイアじみています。

かくしてOPT ISO BOXのポジショニングをどのように采配するか、数日頭を悩ませておりました。

自室ネットワークを紙に書き出し、うーんと唸ることしばし。やっぱりここになるよね?と導き出した結論は、ルータとSilent Angel N8の間にOPT ISO BOXを設置することでした。各拠点にトッププレイヤーを配属させるのではなく、統括部署にトッププレイヤーを配属させて全てをコントロールさせるかのごとく、少々強引な手法でした。

論より証拠。理屈よりも実践。その通りに配置してWiiM Amp Ultraにて音源を再生してみれば、あら、何ともはや、その効果はこのポジショニングでもてきめんではありませんか。

オーディオの環境を変えた際に真っ先に自分が使うリファレンスは、聴き慣れているという観点から、宇多田ヒカル「Automatic」(96/24)と山下達郎「悲しみのJody」(44.1/16)なのですが、そのどちらにおいても、重心がどっしりと下がり、左右の音場が一層開け、ボーカルの抜けもそれまで以上に現れてきました。

加えて、OPT ISO BOX内の伝送スピードスイッチを、それまで設定していた100Mから1Gに切り替えてみました。統括部署直下がボトルネックとなってしまっては、データ伝送の観点からすると完全に不合格です。

ところがこちらは不合格が正解でした。伝送速度を上げることで、音の芯がぼやけてしまったのです。輪郭がやや不鮮明になってしまいました。ネットワークの常識が必ずしもオーディオの結果に結びつくとは限らないと学習。即座に100Mに戻しました。

結果として言えること。それは理屈優先で頭の中をガチガチに固めてしまえば、発想の転換の邪魔をするのは当然のことであると。セオリーはセオリーでしかなく、自環境にとってのベストとなる解とは異なることは多々あるのです。

アンプを大幅ダウングレードという形でリプレイスしたことによって、オーディオ的観点からは離脱したのではないか?と問われる節もあるかもしれませんが、そのようなことは全くありません。音楽をよりよい環境で、よりよいマインドにて楽しむためならば、細かい作業もいとわないこと。それが大事。

と偉そうに書いたところで、今までの自分はその「細かい作業」があまり得意ではなかったのですよね。機材にあぐらをかいていた側面は否定出来ません。自分が自分でけりをつけた世界で、自分の努力無くしては、その先の別の世界は開けません。

オーディオとはやはり業が深いものなのであります。